2010/01/18

IW356801 アクアタイマー オートマティック 2000

投稿日と日付が合ってないのは、写真があまりにひどかったので取り直したからだったりしますw

今回はIWCアクアタイマーオートマティック2000。

このアウターベゼルと黒地に黄色が個人的にツボでして、季節に関係なく愛用しております。

IWC公式から引用すると
商品特徴
機械式ムーブメント
自動巻き
パワーリザーブ(完全に巻き上げられた場合):42時間
日付表示
秒針停止機能付きセンターセコンド
メカニカル回転式アウターベゼル
夜光塗料付きの針、文字盤、
および 回転式アウターベゼル
両面反射防止加工を施したドーム型サファイアガラス
ブレスレットクイック交換システム*
* アクアタイマーのブレスレットクイック交換システムは、カルティエ社より特許ライセンスの 許諾を得て、IWCによって開発されました。

詳細
ガラス:ドーム型サファイアガラス、
両面反射防止加工
リューズ:ねじ込み式
防水:200 bar
ケース直径:44 mm
ケース厚さ:14 mm
重量:
アクアタイマー・オートマティック 2000、
ステンレススティール製
ステンレススティール・ブレスレット:211 g
アクアタイマー・オートマティック 2000、
ステンレススティール製
ラバー・ストラップ:147 g

ムーブメント
キャリバー:30110
振動数:28,800回/時(4 Hz)
石数:21
パワーリザーブ:42時間
巻上げ機構:自動巻き

追加情報
直径44mmのケースに200気圧の防水機能を備えた「アクアタイマー・オートマティック 2000」は、水中での使用に最適です。人目を引く回転式アウターベゼルは、新世代の「アクアタイマー」の特徴であり、手袋を着用していても水中で容易に回転させることができます。サファイアガラス製のリングの底面には、スーパールミノヴァ*が6層も塗られています。この極めて効果的な夜光性塗料により、視界が悪くても、経過した潜水時間をはっきりと確認することができます。この時計も、これまでと同様ブラックの文字盤を備え、分針とベゼルの最初の15分間がシグナルイエローで塗られており、実用的かつ頑丈なステンレススティール・ブレスレット、またはピンバックル付きでブラックのラバー・ストラップからお選びいただけます。プロのダイバーの方には、長いマジックテープ式のストラップ(オプションとしてお選びいただけます)が、ダイビングスーツの上から時計を着用する際に便利であることを実感していただけるでしょう。
* IWC シャフハウゼンは、商標「グリュシデュール」の所有者ではありません。

リシュモングループに属するIWCも、ご多分に漏れずETA2010問題に直面しているメーカーですが、このアクアタイマーに搭載されているのはETA2892-A2ベースのCal.30110。
2009年のSIHHで発表されたモデルにも関わらず、ETAベースのCal.30110を載せてきたことを考えると、周りが騒ぐほど2010年問題は大したことではないのかもしれませんね。

正直なところ、IWCには自社製ムーブメントを載せて欲しかったような気もしますが、ETA2892-A2を越える精度や耐久性、薄さを持った自社製ムーブメントの開発には莫大なお金と時間がかかるのは、想像に難くないですし、何よりそこまでして自社製ムーブメントを載せるメリットが無かった、ということなんでしょう。
もっとも、ETA2892-A2は、IWCがETAに注文をつけて完成したムーブメントなので、半自社製と言ってもいいのかもしれませんが。

少し付け加えると、ETA2892-A2には、エラボレート、トップ、クロノメーターとグレードが3つに分かれていて、このCal.30110はグリュシデュール製のテンワを使用しているので、エラボレートではないようです。
(詳細はETA社のサイトで見ることができるのでETA社のサイトにリンクを張っておきます。Technical DocumentsからProduct RangeリストのMecaline Spécialitésを選んで2892A2を指定するとIH_2892A2_FDE_285962_08.pdfとあるので、そのファイルで確認できます。 )

ちなみに、トップとクロノメーターの違いはクロノメーターの基準を満たしているかどうかなのですが、それは完成品での差であって、部品で購入しているIWCにとってはあまり気にしないでもよさそうです。
実際、ETA2892-A2と名乗らずにCal.30110とIWCが言っているのも、ポン載せではないという自信の表れだと思います。
さらに、IWCは認定クロノメーターの基準よりも厳しい調整を行っていると謳っているので、IWCのコメントを引用すると、
質問:IWCの時計は、認定クロノメーターの基準を満たしていますか?
答え:IWCでは、自社独自の基準を用いて時計の調整を行っています。この基準は、スイス公式クロノメーター検定協会(C.O.S.C.)がクロノメーター認定に対して要求している基準よりもはるかに厳しいものです。クロノメーター検定では時計の遅れが許容されていますが、IWCでは決して認められません

とあるので、IWCの言うことがどうしても信じられないというのであれば仕方ないですが、それを言ってしまうとスイス公式クロノメーター検定協会の言うことも信じられなくなるので、わたしは素直に信じときます。

てなわけで、性能的には日差+2秒くらいで安定してるので、特に問題はないと思います。

あと、ムーブメントの大きさについてですが、私は薄いCal.30110で良かったと思います。
薄いムーブメントを載せているとはいえ、そこは無駄に2000メートル防水のダイバー、厚さが14ミリもあるので、これ以上ぶ厚かったら装着感に違和感があったと思います。

さらに、Cal.80111やCal.51011などの自社製ムーブメント搭載モデルの値段を見てみると倍近い値段で売られてたりするので、Cal.30110じゃなかったらきっと買えなかったでしょうw


んで。

ガワに関しては、それまでのアクアタイマーの象徴だったインナーべゼルを廃止して、サファイアクリスタルコーティングを施されたアウターベゼルになりました。これがすごく新鮮。
シルバーで縁取られたアプライドインデックスが文字盤から浮き出るように配置されているので、かなりの高級感があります。

綺麗に撮れない_|\○_

写真が残念すぎて説得力がまるでありませんが、暗いところでの視認性もよく、夜光の美しさは抜群w
なんでもべセルにはスーパールミノヴァ夜光を6層も塗りたくっているとのことで、スイスジャーマンのクドさを存分に味わえますw
それでも、スーパールミノヴァは所謂夜光枯れが味わえないのが残念と言えば残念。
まあ、こればかりはどのメーカーも今はトリチウムをほとんど使用してないので気にしないことにしましょう。

あと、見た目のよさだけではなく、実用性という意味でもよくできています。
ストップセコンド機能が付いているので、時刻あわせ、日付の設定が楽にできます。
長針の遊びも特に感じないので、設定したい時刻にストレスなく合わせられるのも、デジタルクォーツに慣れた贅沢者にはポイントが高いです。

ただ、個人的には多少実用性が落ちたとしても日付はなくてもよかったかなぁ、と。
現行アクアタイマーの中で、唯一2000mの水圧に耐えられるモデルなので、クロノグラフ機能や機械式水深計などは備えていないシンプルさが気に入っているわけです。
陸上での使用がほとんどとはいえ、日付すら省略してよりシンプルさを追求してくれれば、オタ心をさらに満たしてくれたのに、と思わずにいられません。
まあ、そうは言っても、2000m防水を実現するためには、IWCとして使い慣れたCal.30110をどうしても載せなければならない理由があったのだろうし、そのCal.30110に日付が元々付いているならわざわざ省略するのも手間でしかなかったのでしょう。

ブレスレットクイック交換システム

ベルトはカルティエのロードスターに搭載されているブレスレットクイック交換システムを流用していて、工具なしでベルトの交換が数秒でできるのも地味に嬉しいところ。
メタルブレスはこっそり汚れが溜まるので、さっと外して洗えるのは衛生的ですしね。
さらに、メタルブレスのコマ詰めは、特殊な工具がなくても楊枝が2本あれば自分で簡単にできます。
時計本体とのバランスもいいので、44ミリのケースサイズにも関わらず、装着感に全く違和感がないので、重さもほとんど感じません。
ラバーベルトはこの夏あたりに購入するつもりなので装着感は分かりませんが、黒文字盤に黒いラバーベルトは合いそうな気がするので、ちょっと楽しみです。

と、ここまで書くといいこと尽くめな気もしますが、ブレスレットクイック交換システムを採用しているので、今のところ非正規のベルトは使用できません。
ナイロンベルトやシャークスキンなどのベルトが好きな人は、無理を聞いてくれるベルト専門店に頼み込むしかないのが残念なところです。
替えベルト用のパーツ販売とかしてくれれば、ベルトの選択肢が広がるんですけどね。


残念な点もなくはないですが、信頼性の高いムーブメントに、使いやすくなったアウターべゼルやベルト、そしてこのデザインが気になるのであれば、買って損はしないと思います。



追記
ラバーベルト購入しました。


追記
IW3239のムーブメントについて検索されている方がこのページにたどり着いてるいるようなので、ちょっとだけ追記。
IW3239はセリタムーブメントではありません。
IWCのコレクターズフォーラムでモデレーターが明言しています。

Which movement has the new Ingenieur 3239 Automatic 40 mm?IWC

2 件のコメント:

y4k さんのコメント...

ETA(2892-A2)のムーブメントにエラボレート、トップ、クロノメータという違いがあるなんて知りませんでした。勉強になりました。

enough さんのコメント...

返信遅くなりましてすみません、コメントありがとうです。
Bloggerのサポートが切れたブラウザを使用しているもので、更新しようにも気が乗らない状態でして、ホント言い訳がましくてすみません(-人-;)(;-人-)

で、一概にETAと言っても2892-A2だけで3種類もありますし、IWCのように部品の交換や石の増設など独自チューンのものもあるので、調べてみるとなかなか面白いもんですよね。
特に設計されてから時間の経っている汎用ムーブメントは、様々な改良が加えられてますし、OHなどで組み立て直した時でも精度を出すコツを技師さんが蓄積されてるのも安心などなどメリットも沢山ありますね。
自社製の新ムーブメントも魅力的ですが、こういう地味ながらも頑張っているムーブメントはまた違う魅力があるような気がします。